生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、まだぼんやりとしか見えていません。
成長と共に、少しずつ発達していきます。
赤ちゃんと接する保育士にとっても「どこまで見えているのかな?」「はっきり見えるようになるのはいつから?」と、気になりますよね。
そこでこの記事では、赤ちゃんの視力について解説します。
月齢別の見え方を分かりやすく紹介しますので、参考にしてください。
赤ちゃんの視力はどのくらい?
赤ちゃんは、ママのお腹にいるときから明暗をぼんやりと認識しています。
まぶしい光に反応する程度の力はあると考えられます。
その後、成長と共に物の見え方が変わってくるようです。ここからは、月齢別の視力について解説します。
新生児期の視力
生後0~28日までの新生児期は、0.01~0.02程度の視力しかありません。
まだ色や顔を判別できず、ぼんやりと明るい方向を認識できるくらいです。
この時期は、視覚よりも嗅覚や聴覚でママやパパの存在を感じています。
生後1ヶ月~2ヶ月の視力
生後1ヶ月を過ぎると、0.05程度の視力になります。
黒色や白色がハッキリ見えるため、授乳するときの距離くらいなら、ママやパパと目が合っているように感じることも。
赤ちゃんの前で物を動かすと、ゆっくり追視を始めます。
生後3ヶ月~4ヶ月の視力
生後3ヶ月にもなれば、追視が少しスムーズになります。
視力は、0.04~0.08程度です。手足をバタバタさせているうちに、自分の手の存在に気が付いてジーッと見つめる姿も。
赤色や黄色など、カラフルなおもちゃが好きです。
生後5ヶ月~6ヶ月の視力
生後半年頃の視力は、0.1程度まで発達して奥行きを認識しはじめます。
寝返り返りやずりばいで移動しながら、目に入ったおもちゃに手を伸ばせるようになるでしょう。
青色や緑色など、さまざまな色を認識できるのもこの時期の特徴です。
生後7ヶ月~8ヶ月の視力
赤ちゃんによって個人差はありますが、この時期になれば見える色の種類が増えて、人や物もはっきり見えるようになります。
お座りも始まり、視野が広くなることで目からの刺激を受けやすくなるといえるでしょう。
生後9ヶ月~1歳頃の視力
1歳前後には、視力が0.2程度まで発達します。
床に落ちている小さなゴミを拾って口に入れるなど、しっかりピントを合わせられるようになります。
上下左右の距離感も掴めるようになりますが、まだ輪郭はぼんやりして見えるようです。
2歳頃の視力
歩いたり走ったり、行動範囲が広がる2歳頃。
視力は0.5程度で、しっかりと両目で物を見られるようになります。
1歳半健診で簡単な視力検査を受ける機会があるため、黒目の位置や物の見え方など、気になることがあれば相談してみましょう。
3歳頃の視力
個人差はありますが、3歳頃の視力は0.8~1.0程度まで発達します。
大人で例えると、裸眼で生活できる程度といえるでしょう。
3歳健診で、視力検査をおこないます。その後も視力は発達を続けて、小学校入学時には視力が確立します。
赤ちゃんの視力の見え方は?テレビは見えている?
赤ちゃんがボーッとテレビを見つめていると「どこまで見えているのかな?」「ずっと見せていても大丈夫?」と、心配になりますよね。
赤ちゃんは、明るさや動きにも反応しますが、主に聴力から音に反応してテレビを眺めることが多いようです。
成長するにつれて、乳児向け番組のカラフルさに釘付けになります。
知育につながるような番組も多く、家事などで手が離せないときに夢中になってくれれば助かりますよね。
しかし、長時間のテレビ視聴は視力やコミュニケーション能力の低下につながるためおすすめできません。
時間を決めたり、テレビを見ながら声をかけたりするなど、工夫しながら取り入れたいですね。
赤ちゃんの目が見えているか視力を確認する方法
一般的な視力の発達過程を知っていても、赤ちゃんが実際にどのくらい見えているのか見た目では判断できませんよね。
そこでここからは、赤ちゃんの視力を確認する方法をご紹介します。
カラフルなものを目の前で動かす
目で追うような仕草が見られたら、カラフルなものを赤ちゃんの目の前で動かしてみましょう。
聴力を頼りに追視する可能性もあるため、音を出さずに動かすのがポイントです。
おもちゃと合わせて目を動かす仕草があれば、しっかり見えているといえるでしょう。
瞳や目の大きさや位置を確認する
成長過程で、目の動きや位置が気になることもあるでしょう。
斜視などがあれば、視力の発達に影響する恐れがあるため、黒目がずれていないか確認してみましょう。
赤ちゃんの目を正面から写真に撮ると位置を把握しやすくなります。
物を見ているときの様子を観察する
赤ちゃんは、もし目が見えにくくても、その状況を言葉で伝えられません。そのため、物を見ている姿をよく観察することが大切です。● 本を顔に近づけて読んでいないか
● 頻繁に目を細めていないか
● 片目を隠すと嫌がるか
● 横目で物を見ようとするか
● 瞬きが多くないか
見えづらく感じている可能性がないか、定期的にチェックしてみましょう。 1歳半健診や3歳健診の視力検査で確認する
1歳半や3歳の健診で視力検査をすると、視力に問題がないか確認できます。
目に関して気になることがあれば、健診の機会に医師に相談してみましょう。
その際、気になる症状を撮影した写真や動画があれば、診察に役立ちます。
まとめ
赤ちゃんの視力は、成長と共に発達していきます。
最初はぼんやり光が分かる程度だった視力が、乳幼児期の間にさまざまな色を判別できるまでに発達します。
絵本やおもちゃを使って、赤ちゃんの視力を刺激してあげましょう。
赤ちゃんの視力の発達には個人差がありますが、なかには斜視や弱視などの症状に健診まで気が付かないことも。
赤ちゃんが物を見ている姿をよく観察して、少しでも気になる様子があれば早めに眼科を受診しましょう。