託児所とは、幼稚園や保育園のように管轄官庁がない認可外保育施設の一つです。
読み方は託児所(たくじしょ)で、その運営形態はさまざまです。
主に、保護者の所用による一時預かりのような役割を果たします。
託児所は規模の小さい施設が多く、ゆったり働けます。
そのため「大規模な保育園での勤務に疲れた」「子どもとゆっくり関われる仕事がしたい」などの思いから、託児所での勤務を検討している人も多いのではないでしょうか?
この記事では、託児所で働くために知っておくべきことや、仕事内容を詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
託児所とは?
幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の管轄で運営されています。
託児所には管轄官庁がなく、幅広い運営形態が特徴のひとつです。
まずは、託児所の特徴について詳しく解説します。
認可を受けていない保育施設
託児所は、国や自治体の認可を受けていない「認可外保育施設」に該当します。
とはいえ、すべての認可外保育施設を託児所と呼ぶわけではありません。
明確に定義されているわけではありませんが、商業施設に併設されている一時預かり施設や、企業が従業員向けに設置している保育施設のことを託児所と呼ぶことが多いようです。
なかには、保育園などの子どもを預かる施設全体を託児所と呼ぶ人もいます。
託児所という呼び名は「子どもを預ける場所」として、幅広く活用されている名称なのです。
託児所の実態はさまざま
託児所の実態はさまざまで、保護者がお買い物やリフレッシュする時間だけ預ける「一時保育」や、定期的に利用する「月極保育」などがあります。
「何歳から利用が可能か?」などの決まりはなく、託児所によっては小学生の利用も可能です。
利用時間も幅広く、夜間に運営している託児所も少なくありません。
幼稚園や保育園との違い
先述したように、幼稚園や保育園と託児所の違いは管轄官庁の有無です。
また、その対象年齢や運営時間も異なります。
そして大きな違いとして、託児所は保育園のような入園条件がないことが挙げられます。
「保護者の就労」など、家庭で保育できない場合に限定されないため、ちょっとしたリフレッシュでも容易に利用できます。
託児所で働くために保育士資格は不要?
託児所は、幼稚園や保育園のような教育的位置づけがないため、ただ預かるだけで良いとされています。
そのため、託児所での勤務に特別な資格は不要です。
しかし、短時間であろうと子どもの命を預かることに変わりはありません。
子どもに関する最低限の知識が必要なため、施設によっては有資格者を優遇する可能性があります。
託児所での仕事内容の特徴
託児所での基本的な仕事内容は、一般的な保育園での業務と大きな差はありません。● ミルク・食事・おやつの提供
● オムツの交換
● お昼寝の見守り
● 遊びの提供
そのほか、事務仕事や清掃、保護者対応などもおこないます。一般的な保育園と違い、行事の準備や書類仕事が少ないため、残業や持ち帰り仕事がないケースが多いようです。また、託児所を利用する子どもは異年齢のため、一斉保育や設定保育はあまりありません。当日利用している子どもの年齢に合わせた遊びの提供が必要となるため、臨機応変さが求められます。 託児所で働くメリット
ここからは、託児所で勤務するメリットをご紹介します。
保育士資格がなくても働ける
託児所は、保育士資格がなくても働けます。
そのため「子どもと関わる仕事がしたい」「保育士資格の取得を考えている」という人でも気軽に働けます。
また、ブランクがあり大きな保育園でのクラス運営に不安を感じる保育士にもおすすめといえるでしょう。
行事やイベントがなく負担が少ない
託児所では、日々利用する子どもが変わるため、運動会や発表会などの大きな行事ができません。
行事を開催するためには、企画や準備、子ども達への指導、保護者への通達、当日の運営、後片付けなど、さまざまな対応が必要です。
行事への負担が少ないということは、働きやすさにつながるといえるでしょう。
書類を作成する必要がない
一般的な保育園では、指導案や個人記録などさまざまな書類を作成します。
しかし、託児所を利用する子ども達は毎日バラバラなため、そのような書類は不要です。
事務仕事が省略されることで、より子ども達とゆったり関われます。
アットホームな保育が可能
託児所で預かる子どもの人数は、少ないことが多いためお家にいるようなアットホームな保育が可能です。
子ども一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、その日の活動を自由に決められるのも大きな魅力の一つです。
託児所で働くデメリット
子どもとゆったりと関われる託児所ですが、働くうえでいくつかデメリットもあります。
毎日違う子どもを預かる
託児所を利用する人の多くは、一時利用です。
そのため、毎日違う子どもを預かることになります。
なかには1時間のみの利用もあり、子どもや保護者と関係を築きにくいといったデメリットがあります。
お預かりした1時間、子どもが泣き続けて終わることも少なくありません。
「また明日」がないため、少し寂しさを感じることもあるでしょう。
保育のスキルを磨きにくい
託児所は一時的な保育が多く、活動予定を立てにくい特徴があります。
利用する子どもの年齢もバラバラで、一貫した保育ができないため保育スキルを磨きにくいかもしれません。
異年齢、単発の保育から学ぶこともありますが、クラス運営や大きな行事がないため、物足りなさを感じることも少なくないでしょう。
設備や備品が不十分
勤務する場所によって異なりますが、商業施設やビルに併設されている託児所の場合、設備や備品が不十分な可能性があります。
自由に外遊びをできるスペースがなかったり、沐浴のためのシャワーがなかったりと、保育に不便さを感じることも。
託児所にあるもので工夫したり、限られたスペースで遊びを展開する力が求められます。
まとめ
託児所は、保育園や幼稚園のように管轄官庁を持たない施設です。
保護者が就労など、特別な理由がなくても預けられるという特徴があります。
また、日々異なる子どもを保育するため、一般的な保育園のような行事やイベントは少ない傾向があります。
託児所での勤務に資格は必要ないため、保育士資格を持っていない人にもおすすめです。
そして、ブランクがある保育士や、ゆったり子どもと向き合える場所を探している保育士にもピッタリといえるでしょう。