保育士として就職を考えたとき、子どもの保育園入園を考えたとき…「保育園」と「保育所」の違いに悩んだことはありませんか?そのほかにも、託児所やこども園など、同じ子どもを預かる施設の呼び方はさまざま。そこでこの記事では、保育園と保育所の違い、そしてそれぞれの保育施設の違いについて解説します。
保育園と保育所の違いは呼び方だけ!
実は、児童福祉法においては「保育所」が正式名です。しかし、施設の名前をつけるうえで「〇〇保育所」にしても「〇〇保育園」でも問題はありません。どちらも、家庭の事情により日中の保育がおこなえず、保護者に代わって保育をおこなう施設のことを指しているため呼び方が異なるだけといえます。(この記事では総じて保育園と記します)
どちらに馴染みがあるかは人それぞれで、公立を「〇〇保育所」私立を「〇〇保育園」と呼ぶこともあるようです。どちらで呼んでも問題はなく、保育内容にも違いはありません。
保育施設の特徴や違い
保育園と保育所は名称が異なるだけで同じ施設ですが、保育施設にはさまざまな種類があり名称や保育内容が異なります。ここからは、保育施設の種類やおおまかな内容を解説します。
施設名 | 特徴 |
保育所(園) | 児童福祉法に位置づけられた児童福祉施設のひとつ |
幼稚園 | 学校教育法に位置づけられた教育機関のひとつ |
託児所 | 保護者のニーズに合わせて保育をおこなう認可外保育施設 |
小規模保育園 | 認可のある保育園のひとつで小規模の保育をおこなう施設 |
認定こども園 | 内閣府の子ども・子育て本部管轄の教育・保育をおこなう施設 |
認可保育園 | 保育園のなかでも、都道府県の認可を受けている施設 |
認可外保育園 | 保育園のなかでも、都道府県の認可を受けていない施設 |
認証保育園 | 認可外ではあるが、東京都が自治体として認証した保育施設 |
保育所(園)
保育園は、児童福祉法に基づく児童福祉施設のひとつです。保護者がさまざまな理由により、日中の保育ができない場合に保護者に代わって保育をおこないます。先述したように保育所と保育園は、呼び名の違いしかありません。認可・無認可など施設の種類を問わない総称としても使用されます。
幼稚園
幼稚園は、学校教育法に位置づけられている教育機関です。就学前の幼児が利用するもので、基本の保育時間は4時間、保護者が希望することで入園できます。保育園とは、対象となる児童や入所手続き、保育時間などに大きな違いがあります。
託児所
託児所は、保護者のニーズに合わせた保育をおこなう認可外の施設です。短時間の利用や、夜間の保育も可能な施設が多くあります。日本で初めて開設されたのが「託児所」であったことから、子どもを預かる施設全般を総じて「託児所」と呼ぶ人も少なくありません。
小規模保育園
保育園のなかでも、少人数の乳幼児を保育する施設のことです。一般的に認可を受けている施設のことを指し、6~19名の2歳までの乳児が対象となっています。現在は、ニーズに合わせて対象年齢の引き上げが可能となっています。
認定こども園
認定こども園とは、幼稚園と保育園が合体したような施設のことです。保護者の就労の有無を問わず、各家庭に合った利用が可能です。幼稚園型、保育園型など、利用方法によって条件が異なります。
認可保育園
認可保育園とは、保育園のなかでも国が定めた設置基準を満たした施設のことを指します。職員の配置や設備面積など、細かい基準を満たすことで国から補助金を受け取っています。
認可外保育園
認可保育園とは違い、国が定めた規準を満たしていない保育園を認可外保育園といいます。無認可保育園とも呼ばれ、開設にあたっての規準が緩やかなため、利用者のニーズに合った自由な運営ができるのが特徴です。
認証保育園
認可外保育園ではあるものの、東京都が自治体として認めた施設が認証保育園です。面積的な問題でどうしても認可は受けられないものの、独自の規準を満たしているとして認証する制度を採用しています。
求人を見るときは施設の種類をチェック!
保育園にはさまざまな種類がありますが「〇〇園」「〇〇学園」「〇〇キッズ」など、その名称はさまざま。パッと名前を見ただけでは、園の運営形態を把握できません。「小規模でアットホームな保育園で働きたい」「子どもを認可保育園に入園させたい」などといった理由で保育園を探す場合は、ミスマッチがないよう施設の種類までしっかりチェックしましょう。
まとめ
保育所と保育園は呼び方が異なるだけで、実質的な違いはありません。しかし、保育園と呼ばれる施設のなかには「認可」「無認可」「小規模」「認証」など、さまざまな種類があります。子どを預ける施設として、まとめて「保育園」「託児所」と呼ぶこともあるため、臨機応変に使い分けたいですね。