ダブルワークをお考えの看護師さん。選択肢の一つとして介護施設での夜勤アルバイトを考えた事はありませんか?
病棟しか経験がない場合、介護施設でどんな看護業務を行っているのか気になりますよね。施設の看護業務といえばバイタルチェックが頭に浮かぶかと思いますが、実際にはどうなのでしょうか?
そこで今回は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなど施設ごとの仕事内容や夜勤バイトのしやすさについて調べましたのでご紹介いたします。
看護師の夜勤バイトを募集している介護施設はどこ?
介護施設には、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどいくつかの種類がありますが、夜勤の看護職員の配置が義務付けているのは介護老人保健施設のみであり、看護師の夜勤アルバイトの募集の大半が介護老人保健施設になります。
看護師の配置義務がない施設でも、大規模な特別養護老人ホームや手厚い医療体制を魅力のひとつとしている有料老人ホームでも看護師の夜勤バイトを募集している場合があります。
では、仕事内容はどうなのでしょうか?施設ごとに見ていきたいと思います。
施設の種類別、夜勤バイトにおける看護師の業務内容
◆介護老人保健施設◆
<特徴>
介護老人保健施設は在宅復帰に向けたケアを行う施設であり、利用可能期間は約3ヶ月~6ヶ月と短期間です。介護スタッフのほか作業療法士や看護師など専門スタッフも勤務しており、夜間も医療従事者が常駐しないといけません。
<老健における夜勤の仕事内容>
健康管理/服薬管理/バイタルチェック/胃ろうの管理/点滴/インスリン注射などの処置/看護記録作成/食事・排泄介助など
超高齢化社会から高齢多死時代へとなった今日では、介護老人保健施設でも看取りを行う施設が増えており、ターミナルケアの必要性が問われています。また、夜勤帯は看護師が一人体制という施設が多く、90名100名の入居者に対して看護師1名で急変時の対応をしないといけません。また、多くの介護老人保健施設では、看護師も介護スタッフとともに食事介助や排泄介助を行う場合が多いので、病院とは違い体力仕事になります。
◆特別養護老人ホーム◆
<特徴>
要介護度3以上で、65歳以上の高齢者が生活をする施設です。介護老人保健施設に比べて要介護度が高い高齢者が多く、利用期間は終身までとなっています。夜間の看護師の常駐は義務付けられていませんので、ほとんどの施設ではオンコール体制を取っています。
<特別養護老人ホームにおける看護師の仕事内容>
健康管理/服薬管理/バイタルチェック/胃ろうの管理/インスリン注射などの処置/看護記録作成/食事・排泄介助など
特別養護老人ホームは重度の介護状態の高齢者が多い為、夜勤では数時間ごとのおむつ交換やたん吸引、不穏な入居者の見守りなど、勤務している看護師さんによると「思っていたよりも忙しい」という傾向にあるようです。
◆有料老人ホーム◆
<特徴>
有料老人ホームには、「介護付(要介護状態)」「住宅型(要支援~要介護状態)」「健康型(自立~要支援)」の3つのタイプがあり、「住宅型」の場合は、介護が必要な入居者に対して外部のサービスを利用しますので、住宅型の看護師の夜勤バイトは「訪問看護」という形になります。
有料老人ホームは自立している高齢者の方も多く、要介護度状態は低めなのでオンコール体制にしている施設がほとんどです。その中で看護師の夜勤バイトを募集している施設は、医療依存度が高い傾向にあるか、サービス向上の目的で夜間に看護師を配置しているというケースに分かれます。
<有料老人ホームにおける看護師の仕事内容>
健康管理/服薬管理/バイタルチェック/胃ろうの管理/点滴/インスリン注射などの処置/看護記録作成/施設によっては食事・排泄介助もあり
医療依存度が高い有料老人ホームでは、IVHやCPAP、胃ろうの方や、たん吸引をしないといけない方が数十名にも及ぶという施設もあるなどかなり忙しい可能性があります。もし施設で看護業務のスキルを高めたいのであれば医療依存度の高い有料老人ホームで夜勤バイトをするのも良いかもしれません。反対に、本業がかなり忙しいので夜勤バイトはゆったり・・・という方であれば「住宅型」はいかがでしょうか。
◆サービス付き高齢者向け住宅◆
<特徴>
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が快適に生活できるようバリアフリーなどの設備を整えている賃貸住宅です。介護施設ではないので自立されている高齢者がほとんどで、「自立できている」事を入居条件にしている賃貸住宅もあります。サービス付き高齢者向け住宅も住宅型有料老人ホーム同様「訪問看護」での夜勤バイトになります。
<サービス付き高齢者向け住宅における看護師の仕事内容>
見回り/バイタルチェック/たん吸引/口腔ケア/経管栄養/排泄介助(オムツ交換)など
サービス付き高齢者向け住宅でに夜勤は倍たるチェックや安否確認といった見回り業務がメインになり、宿直など仮眠をしっかり取れる求人もあります。
ただ、終末期の方も対応しているというサービス付き高齢者向け住宅もありますので、一概にゆったりしているとは言い切れませんので注意が必要です。
まとめ
いかがでしょうか?介護施設での夜勤バイトは病棟とは違い、救急搬送の受け入れはなく急変も少ないので、ほぼルーティン業務といえます。
とはいえ、業務内容や業務量は、施設区分というよりもその施設によって大きく異なりますので注意が必要です。オープン当初は自立されている高齢者が多くても、だんだんと要介護度が高くなったりと、看護業務の幅も広がってきたという話も良く耳にします。介護施設だから一概にゆったりしているという概念はもはや無く、施設の特徴や介護度状態をしっかりと確認しないと「病棟並みに忙しい」という事も十分ありえます。
「思っていたのと違った」とならないよう、介護施設での夜勤バイトを希望の看護師さんは、ぜひキャリアアドバイザーに一度相談してみてください。