子どもたちの笑顔に囲まれて、とてもやりがいのある仕事だと思われる保育士。
しかし実際は、給料の安さや責任の重さ、業務量の多さ、人間関係など悩みは尽きません。そのような悩みから「今年度で退職しよう」「ほかの保育園を探そう」と、考えている人も多いのではないでしょうか?
保育士の転職活動は、新年度が始まる4月に合わせて計画的に進めることがオススメです。
この記事では、転職活動を始めるタイミングや転職の流れを解説します。また、転職活動中に意識したい大切なポイントも紹介しますので参考にしてください。
保育士の転職活動は4月に合わせて始めよう!
保育士は、4月になると入園・進級を迎えて新たなスタートを切ります。
翌年3月までの1年間を区切りとして考えるため、年度途中の退職は望ましくないといわれています。
新年度の4月に合わせて動くべき理由は以下のとおりです。
受け持っているクラスに責任を持つ
担任を受け持っている場合は、4月から翌年3月までの1年間、クラスに責任を持たなければなりません。
もちろん、家庭の都合や体調不良、結婚や妊娠などにより退職を余儀なくされることもあるでしょう。
しかし、特別な事情がない場合は、3月末まで責任を持ってクラス担任として続けることをおすすめします。
特別な事情がないにもかかわらず「年長クラスの担任で年度途中に転職」となれば、転職先への心象に影響があるかもしれません。
保護者や子どもの不安を軽減する
3月末まで勤めてからの転職であれば、保護者や子どもの不安を軽減できます。
信頼関係のある保育士が突然退職するとなると、子どもは不安を感じることでしょう。
なかには、新しい担任に慣れず登園を嫌がることもあります。
不安を感じている子どもを見ている保護者もまた、同じようにマイナスな感情を持ちかねません。
進級の時期であれば抵抗なく受け入れられるため、保護者や子どもたちへの配慮も忘れないようにしましょう。
引継ぎをしてから転職する
年度途中の退職となれば、十分な引継ぎができない可能性があります。
後任の保育士が決まる前だと、担任しているクラスを丸投げしているような状態にもなります。
事情がある場合は仕方のないことですが、限られた時間での引継ぎはとても大変です。
引継ぎ漏れがあれば、子どもや保護者に迷惑をかけることにもつながります。
年度末に合わせた退職であれば、子どもたちの1年間の様子を踏まえながら的確な引継ぎが可能です。
保育士の転職活動はタイミングが大切
3月31日まで今の保育園で勤務して、翌日の4月1日から新しい職場での勤務を始めたいと思う人も多いでしょう。
間を空けずに転職したいと考える場合は、転職活動を始めるタイミングが大切です。
転職活動にかかる期間は人それぞれですが、以下のようなポイントを意識して動き始めましょう。
求人数が多くなる時期に合わせて動く
転職活動は、求人数が多くなる時期に合わせて動くことが大切です。
保育業界は、主に秋~冬頃に求人が増える傾向があります。退職者の数にかかわらず、毎年一定数の保育士を募集している保育園は、8~9月頃から募集が始まります。
夏~秋頃にかけて退職者の数を把握した保育園は、10~11月頃に選考を開始します。
年末~年明けに退職者からの申し出を受けた保育園は、1~2月にかけて採用をかけます。
早くに募集を開始しても、保育士をなかなか確保できない保育園も多く、この時期が求人のピークになると考えられます。
そのため、秋~冬頃に転職活動を始めると、さまざまな候補を検討できるといえるでしょう。
転職活動にかかる期間を逆算する
転職活動にかかる時間は人それぞれです。通勤圏内にある保育園が少ない場合は、必然的に候補が絞られるでしょう。
検討する保育園が多ければ、それだけ時間もかかります。また、働きながらとなると転職活動の時間をしっかり確保できないことも考えられます。
「じっくり考えて見学や職場体験に行きたい」という人は、それなりの時間が必要です。
転職活動にかかる時間の逆算をおすすめします。
チャンスを逃さないよう夏頃から始める
「転職活動にどれくらいかかるか分からない」「今の保育園が忙しくて時間が取れない」という場合は、夏頃から少しずつ動き始めることをおすすめします。
自分に合った求人を逃さないためにも、早めに始めておくと安心です。
なかには「今は忙しいから退職してからじっくり考えよう」と思う人も少なくないでしょう。
しかし、もし転職活動が思い通りに進まなかったら退職を後悔する可能性があります。
焦りから転職先を妥協することも考えられますので、働きながら余裕を持って進めるのがベストといえるでしょう。
保育士の転職活動の流れ
転職活動をスムーズに進めるためには、転職の流れを知って計画を立てることが大切です。
転職活動のおおまかな流れは以下のとおりです。
転職の意志を固める
転職活動の方針を決める
自己分析をおこなう
転職サイトなどに登録する
転職先候補を見学する
応募や面接を済ませる
勤務先に退職の意志を伝える
引継ぎや有給消化をおこなう
ここからは、それぞれの流れを詳しく解説します。
転職の意志を固める
転職活動の第一歩は、転職の意志を固めることから始めましょう。
引っ越しやライフスタイルの変化など、必ず転職することが決まっているのであれば問題ありません。
しかし、嫌なことがあって辞めたいと考えている場合は「やっぱりもう少し頑張ろう」「人間関係が良いから我慢しよう」など、心が揺らぐことがあるかもしれません。
後悔のないよう、なぜ辞めたいのか思い返しながら転職の意志を固めましょう。
転職活動の方針を決める
転職を決意したら、どのような希望を持って転職するか方針を決めます。
まずは、以下のようなポイントをまとめてみてください。
保育士継続の意志
勤務形態の希望
働きたい保育園の規模
転職における条件
通勤可能な範囲
この段階では、まだ職場に退職の意志を伝える必要はありません。
早い段階で辞めることを話すと、引き止めに合ったり、働きにくくなったりする可能性もあります。
自己分析をおこなう
転職先候補を探す前に、自己分析をおこないましょう。
保育士としてのスキルや保育観をまとめ、どのような保育園に転職したいか考えます。
大勢の子どもをまとめることが苦手なのであれば、小規模保育園を中心に探すこともできます。
自己分析により、得意なことや苦手なことを見極めてみてください。
転職サイトなどに登録する
転職活動の希望が固まったら、転職サイトなどに登録して求人を探します。
インターネットでの求人検索でも情報を集められますが、なかには未公開となっている募集も少なくありません。
保育専門の転職エージェントを活用すれば、掲載情報以外の内部事情を知ることも可能です。
転職先候補を見学する
転職先の候補が決まれば、園見学をおすすめします。
福利厚生や待遇などの条件も大切ですが、人間関係や保育園の雰囲気もとても重要です。
転職後に後悔することがないよう、自分の目で見て確認しておきたいですね。
応募や面接を済ませる
転職先候補を絞れたら、応募や面接をおこないます。
自分で保育園に連絡して日程を調整しても良いのですが、働きながらだと対応が難しいという人も多いでしょう。
転職エージェントの専任アドバイザーであれば、面接日程の調整や面接対策、条件交渉などを任せられます。
勤務先に退職の意志を伝える
次年度の意志確認のタイミングで、今の職場に転職の意志を伝えましょう。
保育園側は、後任の保育士を募集する手配や、次年度の職員配置を考える必要があります。
そのため、遅くても年内には退職の意志を伝えておくと良いでしょう。
引継ぎや有給消化をおこなう
転職活動を進めながら、退職に向けての準備も一緒に始めます。
記録をまとめたり、次年度の担任へ丁寧に引き継ぎをおこないましょう。また、有給休暇残数の確認も必要です。
保育士は、年度末にかけて卒園や進級準備で忙しくなります。有給消化できるタイミングがないか、主任保育士や園長に相談してみましょう。
転職活動中に意識したいポイント
転職活動で焦ったり、妥協したりすると、転職先でも同じように不満を感じてしまう可能性があります。
ここからは、希望の環境で働くために転職活動中に意識したいポイントを解説します。
転職の希望や条件は細かくまとめる
給与や賞与
勤務日数や年間休日数
有給消化率
勤務時間や残業の有無
通勤時間や方法
職員数や受入定員
保育方針
理想の条件と合わせて、譲れない条件、優先順位などを決めておくと判断しやすくなります。
もちろん、条件だけで判断するのは難しいことですが、転職を繰り返すことがないよう妥協はおすすめできません。
保育園の雰囲気は念入りにチェックする
求人情報だけでは、保育園の雰囲気すべてを把握できません。
ホームページを見たり、見学に行ったりして年間行事や1日の流れなど、念入りにチェックしましょう。
施設内の様子を見れば、保育観や普段の様子を知ることができるはずです。
退職理由は前向きに話す
退職を申し出るときは、主任保育士や園長に直接伝えます。
そのとき、退職理由は前向きに話すのがポイントです。
もし、本当のことだとしても「給料が少ない」「激務で耐えられない」などと伝えれば、待遇を見直すことを条件に引き止めに合うかもしれません。
スキルアップのため、やりたいことがあるなど前向きに話すことで、円満退職につなげられます。
転職エージェントに相談する
転職活動に不安を感じる場合は、転職エージェントへの相談をおすすめします。
保育士ワーカーであれば、求人探しはもちろん、面接の調整や面接対策など、転職に関することであればなんでもご相談ください。保育士専門のアドバイザーがしっかりサポートいたします。
まとめ
保育士の転職活動は、新年度が始まる4月に合わせて動くと良いでしょう。
早くて夏頃から求人募集が始まり、年明け1~2月にピークを迎えます。チャンスを逃すことのないよう、自己分析や転職サイトへの登録などを早めに済ませておきましょう。