国家資格である保育士の資格を取得する方法には、2通りあります。指定保育士養成施設を卒業する方法と、2年以上の実務経験などの条件をクリアして保育士国家試験を受け、合格する方法です。
今回の記事では、指定保育士養成施設について紹介します。指定保育士養成施設のことを知り、保育士の国家資格取得への道筋を立てましょう。
指定保育士養成施設とは?
指定保育士養成施設とは、都道府県知事が指定している保育士を養成するための施設のことです。保育士になるための学校、保育士専門学校と呼ばれることが多いでしょう。
卒業と同時に保育士資格が取得できる施設
指定保育士養成施設に入学し、卒業すると保育士資格が取得できます。保育士の資格は国家化資格のため、国家試験を受けるイメージしかない方も多いようですが、指定保育士養成施設を選び、卒業することで取得できるのを覚えておきましょう。
指定保育士養成施設の種類を知ろう
指定保育士養成施設は、令和4年4月時点、全国で668校あります。どの施設も、入学し卒業することで資格が得られることに変わりはありません。しかし、それぞれの規模や通学年数などに違いがあります。
4年制大学
指定保育士養成施設の中でも、在学期間が長いのが4年制大学です。保育についてじっくりと学びたい人や、学生期間を長く過ごしたい人は4年制大学を検討してみてはいかがでしょうか。他の指定保育士養成施設と比べて、トータルでの学費は高めです。
短期大学
2年間の在学期間で資格を取得できるのが、短期大学です。4年制大学の半分の期間になるため、知識の習得や保育実習など2年間に凝縮されています。少し忙しく感じるかもしれませんが、保育士資格を短期間で習得したい人の進学先として人気です。
専門学校
専門学校も、短期大学と同じく2年から3年という短い在学期間で卒業できます。大学や短期大学のような難しい受験勉強が必要ないので、割と入学しやすいのが特徴です。比較的安く入れます。
指定校と併修校の違い
次に、指定保育士養成施設の中でも、指定校と併修校の違いを解説します。
指定校とは
指定保育士養成施設の「指定校」とは、厚生労働省と文部科学省の両方から指定を受けた施設のことです。卒業することで、保育士資格と幼稚園教諭2種免許状の取得ができます。
併修校とは
指定保育士養成施設の「併修校」とは、厚生労働省飲みの指定を受けた施設のことです。卒業すると、保育士資格の取得ができます。幼稚園教諭の資格の取得が必要な場合は、指定校を選ぶか別の方法で取得する必要があります。
指定保育士養成学校では何を学ぶの?
指定保育士養成施設でのカリキュラムには、必修科目と選択必修科目があります。それぞれの科目を紹介します。
必修教科目
【保育の本質・目的に関する科目】
・保育原理(講義2単位)
・教育原理(講義2単位)
・子ども家庭福祉(講義2単位)
・社会福祉(講義2単位)
・子ども家庭支援論(講義2単位)
・社会的養護Ⅰ(講義2単位)
・保育者論(講義2単位)
【保育の対象の理解に関する科目】
・保育の心理学(講義2単位)
・子ども家庭支援の心理学(講義2単位)
・子どもの理解と援助(演習1単位)
・子どもの保健(講義2単位)
・子どもの食と栄養(演習2単位)
【保育の内容・方法に関する科目】
・保育の計画と評価(講義2単位)
・保育内容総論(演習1単位)
・保育内容演習(演習5単位)
・保育内容の理解と方法(演習4単位)
・乳児保育Ⅰ(講義2単位)
・乳児保育Ⅱ(演習 1 単位)
・子どもの健康と安全(演習 1 単位)
・障害児保育(演習2単位)
・社会的養護Ⅱ(演習1単位)
・子育て支援(演習1単位)
【保育実習】
・保育実習Ⅰ(実習4単位)
・保育実習指導Ⅰ(演習2単位)
【総合演習】
・保育実践演習(演習2単位)
選択必修教科目
・保育の本質・目的に関する科目
・保育の対象の理解に関する科目
・保育の内容・方法に関する科目
・保育実習Ⅱ(実習2単位)
・保育実習指導Ⅱ(演習1単位)
・保育実習Ⅲ(実習2単位)
・保育実習指導Ⅲ(演習1単位)
働きながら保育士資格取得も!指定保育士養成施設の通信・夜間コース
最後に、働きながら学べる指定保育士養成施設の通信制・夜間のコースについて紹介しましょう。
通信制コースとは
指定保育士養成施設の通信制コースでは、通信講座を中心に学びを進められます。授業や課題はオンラインで閲覧、提出ができるので働きながらも保育士資格を取得したい人におすすめです。
通信制コースは、通学する他施設よりも学費が安いのも特徴ですが、一人でコツコツと進めないといけないので強い意志を持って取り組む必要があります。
夜間コースとは
指定保育士養成施設の夜間コースも、日中に働いているなどの事情がある人におすすめです。平日の18時頃から授業がスタートすることが多く、昼コースと比べると講義に取れる時間が少ないため3年間で卒業するところが多いようです。
通信制コース、夜間コースどちらにも言えますが、保育実習など日中に行うことになるのでその点には注意しましょう。
指定保育士養成施設なら卒業と同時に資格取得ができる!
今回は、指定保育士養成施設について紹介しました。指定保育士養成施設には、4年制大学・短期大学・専門学校があります。また、指定校と併修校があり、指定校を卒業すると保育士資格と幼稚園教諭2種免許状の両方を取得できることがわかりました。
働きながら保育士資格を取得したい人は、通信制や夜間コースの指定保育士養成施設を選択するのも良いでしょう。
指定保育士養成施設の卒業と共に、保育士資格の取得を目指す人はどの施設が自分に合っているか近くの指定保育士養成施設を調べてみてくださいね。