1978年に国立循環器病センターで日本初となるSCUが開設され、2005年には国内で静注血栓溶解療法が承認されたことでSCUを併設する施設は増加。SCUの存在が少しずつ身近になりつつある今、SCUに興味を持つ看護師さんが増えています。
そこで本記事では、SCUで働く看護師の仕事内容や役割、やりがいについて解説していきたいと思います。
SCUとは?
SCU(Stroke Care Unit)とは、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の患者さんを発症早期から24時間体制で集中的に治療をする脳卒中専門の集中治療病床です。「脳卒中ケアユニット」「脳卒中ケアセンター」とも言われます。
NCUとの違い
NCU(Neurosurgical Care Unit)は脳神経外科集中治療室であり、脳神経疾患や頭部外傷での脳外科手術後の患者さんが収容されます。SCUとの違いは、NCUは脳神経外科系の重症患者さんを対象にしているのに対し、SCUは脳卒中の急性期患者を対象としているという点です。
SCU看護師の仕事内容
基本的な仕事内容は他の病棟と大差はありません。しかし、脳卒中を発症した患者を24時間体制で受け入れるSCUでは、どんな時間帯でも緊急入院や検査、手術がありますので、入院を受け入れるにあたって病状が安定した患者さんを他の病棟に移動させるための転室準備や申し送り準備も必要になります。
いかに早く治療できるかが重要
脳卒中は救急疾患であり、急性期治療の成否が患者の症状の経過や結果に重大な影響を及ぼすため、いかに早く治療できるかが重要になります。そのためSCUでは、機動性を重視し全体を一つとするオープンフロアとなっており、3:1の看護配置で患者さんの些細な症状の変化を見逃さないような体制作りがされています。
SCU看護師に求められるスキル
時間との闘い!日頃からの知識向上やスムーズな連携体制が求められる
SCUでは入院当日または翌日という超早期からリハビリを開始し、患者さんの早期回復、早期社会復帰を目指します。
医者やコメディカル、栄養士など多職種と協働し、チーム医療で患者の治療にあたります。また、脳卒中患者は嚥下障害により誤嚥性肺炎を起こしやすい状況なので摂食嚥下の支援を行うチームとの連携も欠かせません。多職種が共に時間と闘いながら患者を治療するSCUではスムーズな連携が必須。また、脳卒中が発症した直後は非常に危険なため、医師の指示を待つだけではなく、看護師側も何が必要かを自ら考えて看護する必要があります。適切な検査や治療が迅速に行えるよう常日頃から脳卒中に関する知識を蓄える事が大切です。
わずかな神経徴候を見逃さない観察力
SCUにおいて最も大切なのは脳卒中超急性期における神経徴候の観察およびNIHSSの計測です。神経徴候は機械でのモニタリングはできないので、患者さんの些細な症状の変化を見逃さないよう看護師による観察力が大変重要になります。
SCUで働く看護師のやりがい
SCUで働く看護師はどんな部分にやりがいを感じているのでしょうか。
SCUで働く看護師の声をいくつかご紹介します。
脳卒中の治療に革命をもたらした静注血栓溶解療法(t-PA治療)。この治療法によって超急性期の危機的状況から急速に病状が改善し、軽症に抑えられたり、後遺症が残らず元気な姿まで回復できる確率が高まりました。
時間との闘いで緊迫した状況下で、適切かつ迅速な判断を下さねばならないSCU看護師。
その責任の重さを噛み締めつつ、自身の看護によって患者が着実に回復している様子を間近で見られるという事にやりがいを感じる方が多いようです。
まとめ
年間約13万人が命を落とし、毎年25万人が新たに発症する脳血管疾患。
高齢化に伴い脳血管疾患の患者数はますます増加することが予想されています。
需要が高まるであろうSCU看護師、関心をお持ちの方はぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
看護師ワーカーでは、SCUを設置している病院へのご紹介実績多数!
SCUにご興味がある方はぜひお気軽にご相談ください。