特別養護老人ホーム(以下、特養)の名前を聞いたことはあるが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
高齢社会をむかえた現在、特養はますます重要になっています。
さらに75歳以上の後期高齢者は、病院での治療よりも、より家庭に近い心のこもったケアを求めるようになり、特養の果たす役割はさらに重要になっていくと考えられます。
では、詳しい内容をお話ししていきます。
特養とは?その役割
特養とは介護保険法が「介護保険施設」と規定している3つのうちの1つです。
老人福祉法による基準に基づいて運営され、入居対象者は身体上または精神上著しい障害を持っており、要介護認定の審査を受けて要介護度1〜5と判定された人となります。
また特養の基本的な役割は、介護施設として排泄、入浴、食事等の日常生活の介助を通して入居者のリハビリや健康管理を行い、それらによって、できる限り自宅での生活に戻れるようにすることです。
次に特養での看護師の仕事内容についてご説明します。
看護師の仕事内容
特養は介護施設ですが、看護師が活躍できる場でもあり、入所者100人に対し医師は1人、看護師は3人の配置基準とされています。
病院とは違って看護師の割合が非常に低い分、責任が大きく、やりがいを感じる職場と言えます。
では、具体的にどのような仕事を看護師はするのでしょうか。
主な仕事は、バイタルチェックや薬の管理・配薬、経管栄養の準備と注入、褥創や皮膚トラブルの処置、利用者の急変時の対応等、利用者の健康管理が中心です。
しかし、急変時の対応は病院と違い、配置されている医師が非常勤の場合もあるので、状況や緊急度の判断、医師への的確な情報伝達、と看護師は重要な役割を担います。
責任感が強く行動力がある人に向いている職場と言えるのかもしれません。
また、病院と違って基本的には治療の必要ない方を対象としているので、病院で働くよりもゆったりとした雰囲気で、利用者一人一人と向き合った看護ができるのも特養の特徴です。
特別養護老人ホームの現状
利用方法が様々あるところも特養の特徴の1つです。
入所して特養を生活の場として終身利用をしたり、日中に施設を訪れ、レクリエーションや生活援助を行う「デイサービス」、短期間だけ入所する「ショートステイ」や「ホームケア」、「ナイトケア」等、在宅介護支援を行っている所も増えてきています。
これらを利用することで、在宅介護にあたる家族の負担増による共倒れを軽減できることから、利用する価値が大変大きいサービスになってきています。
しかし、いまだ全国で52万人以上が待機しており(2014年度厚生労働省の発表より)、入所まで通常数ヶ月〜数年程度の期間を要すると言われているのが現状です。
特養の特徴や現状、そこで働く看護師の仕事内容をご説明させていただきました。
特養への転職をお考えの方は、ぜひ看護師ワーカーにご相談ください。