「介護の仕事を続けたいけど、給料が・・・今後も賃上げされるの?」と悩んでいる介護職員が多くいるのではないでしょうか。
色々な処遇改善加算で介護職員の賃上げがされていますが、「給料が少し上がっても・・・」というのが実感かもしれません。
大好きな介護の仕事を続けていくためにも、今後の給料が上がるのかを知りたいですよね。
そこで今回は、2024年以降の介護職員の給料が上がっていくのかを大胆予想します。
介護職員が自らできる年収アップ方法についても解説しているので最後までお読みください。
介護職員の給料の現状
まずは、介護職員の給料の現状をみていきましょう。
2022年の介護職員の平均年収は約381万円!?
厚生労働省の『令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果』のデータをもとに計算すると、常勤の介護職員の平均年収は3,810,760円 でした。この金額は同年10月からスタートした「介護職員等ベースアップ等支援加算」を取得している施設・事業所に勤務している介護職員が対象です。全体の85.4% の施設・事業所が同加算を取得しているため、介護職員の平均年収といってよい数値です。約381万円という平均年収は、決して安い金額ではないでしょう。ただ、この数値はあくまでも平均値なので、年収が「もっと高い」や「もっと低い」施設・事業所があるのは事実です。参照:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 介護職員の給料アップ政策とは
これまでの介護職員の給料アップ政策は、介護報酬制度の処遇改善加算を中心に行われてきました。
給料アップ政策の大まかな変遷は以下のとおりです。
● 平成21年(2009年)10月:介護職員処遇改善交付金がスタート(~平成24年3月)
● 平成24年(2012年)4月:介護職員処遇改善交付金から介護職員処遇改善加算へ移行
● 令和元年(2019年)10月:介護職員等特定処遇改善加算がスタート
● 令和4年(2022年)2月:介護職員処遇改善支援補助金がスタート(~令和4年9月)
● 令和4年(2022年)12月:介護職員等ベースアップ等支援加算がスタート
上記のように新たな処遇改善加算がスタートするたびに加算額が増え、介護職員の給料に反映されてきました。
介護職員の給料が低い理由
介護職員の給料は確実に増えてきています。
ただ、国や民間団体の統計によると、全産業と比較して介護職員の給料は約4万円低く なっているのが現実です。
給料が低い理由として色々挙げられていますが、介護報酬に上限があることと、介護の仕事の専門性が低いと思われていること、という二つの大きな理由があります。
介護報酬は施設・事業所の収入のほとんどを占め、そこから職員の給料が支払われています。
この介護報酬に上限があるため、決められた介護報酬のお金で施設・事業所はやりくりをしないとならないのです。
そのため、介護職員の給料を増やしたくても増やせなくなっています。また、介護の仕事の専門性が低いと思われています。
制度が変わりつつありますが、介護の仕事は無資格でもできる仕事です。
看護職員のように看護師・准看護師の資格を求められる仕事ではありません。
そのため、給料が低く設定されてしまうのです。
2024年以降の介護職員の給料を大胆予想する!?
介護職員の給料の現状を理解したところで、次は令和6年(2024年)以降の給料を大胆に予想してみます。
介護職員処遇改善加算の金額が上がる!
介護職員の給料は、処遇改善加算の増額によって今後も増えると予想できます。
平成21年(2009年)に介護職員処遇改善交付金のスタートによる月額1.5万円の増額以降、徐々に処遇改善加算の金額が増加してきました。
その結果、令和5年(2023年)9月 現在では、介護職員処遇改善加算と介護職員等ベースアップ等支援加算をあわせて4.6万円が増額され、介護職員の給料の増額に充てられています。
介護職員等特定処遇改善加算を加えると、さらに月額8万円が増額されています。
ただ、介護職員の給料が全産業の平均に達していないことや、介護職員の需要の増加を考えると、処遇改善加算の増額があると考えるのが自然でしょう。
物価高騰で介護職員の実質給料は下がる!?
前節で処遇改善加算の増額で介護職員の給料が増えると予想しました。しかし、近年の物価高で給料が増える効果が少なくなるどころか、マイナスになることも考えられます。総務省が発表した消費者物価指数によると、2020年の物価の指数を100とすると、2023年7月の物価は105.7に上昇しました。参照:総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)7月分この数値は、月々の生活費に20万円使っている家庭なら、生活費が21.14万円(20万円×105.7)になったと同じことです。これでは、介護職員等ベースアップ等支援加算で月額の給料が0.9万円増えたとしても、増えた効果がまったく得られません。むしろ実際に支払われる給料がマイナスになったといえます。 国から介護職員へ直接給料が払われる!?
「処遇改善加算って給料に反映されている?低いけど・・・」と思っている介護職員が多いのではないでしょうか。
そこで考えられる方法が、処遇改善加算に相当する金額を、国から介護職員へ直接支払う方法です。
処遇改善加算制度は、どれも介護報酬として施設・事業所に入ってきたお金が、介護職員に給料として支払われる仕組みになっています。
この制度の給料増額の仕方を端的に解説すると、介護職員の給料を基準となる年から加算額分だけ増やせばよいということです。
そのため、給料の基準が増額されるベースアップだけではなく、毎年の昇給に利用することもでき、給料が増えたと実感できない介護職員も多いようです。
このようなケースを防ぐためには、前述の加算額分を国から介護職員へ直接支払う方法が有効です。
制度上の問題は色々ありますが、マイナンバーカードと個人の銀行口座が紐づけされていることを考えると、事務的な煩雑さも少なく可能な方法といえます。この方法なら介護職員も国の給料アップ政策の効果を十分得られるでしょう。
介護職員が自分自身の力で年収をアップさせよう
最後は介護職員が自らの力で年収をアップさせる方法について解説します。
資格取得や転職、出世をしろと言われるが・・・
介護職員の給料をアップさせる方法として、資格取得や転職、出世などがいわれています。ただ、少しの効果しか期待できないのが現状です。
また、以下のようなことも考えられます。
● 資格取得:月1~2万円しか給料が増えない(合格しないリスクも)
● 転職:ボーナスや退職金も含めると減る場合がある
● 出世:事業所・施設によっては難しい場合がある
ある程度の給料をアップさせる効果はありますが、「介護業界は給料が安い!」といわれている状況を、覆すほどの効果がないのが現状です。
リスクはあるが急成長企業へ転職してみる!
ちまたでいわれている給料アップの方法の効果が薄いことがわかりました。
そこで今回紹介する方法が、急成長企業へ転職する方法です。
施設・事業所数が増えている会社へ転職すれば、管理職へ出世しやすいからです。
施設・事業所数が増えない会社では、管理職のポストが空かない限り出世するチャンスはありません。
しかし、施設・事業数が増えている会社では、管理職のポストも増え出世するチャンスが多く、出世すればおのずと給料も大幅に増えてくるのです。
施設・事業所数が増えている会社の調査方法としては、会社のホームページを確認することです。
例えば、大手介護事業会社のA社では2015年から2020年の間に、施設・事業数が371から464へ大幅に増えています。
もっと急激な成長を遂げている会社もありますが、その分リスクも大きくなるといえるでしょう。
どこまでリスクをとるかは人それぞれですが、急成長企業へ転職することで出世し給料を大幅に増やすことが可能といえます。
介護職員の今後の給料は自分次第!年収をアップさせて毎日を充実させよう!
今回は2024年以降の介護職員の給料が上がるのかの予想や、介護職員が自らできる年収アップ方法などについても解説しました。介護職員の今後の給料は上がっていきますが、物価高への対処も必要です。語りつくされているような給料アップ方法を捨て、大胆な行動も時には必要かもしれません。※掲載情報は公開日あるいは2023年09月28日時点のものです。制度・法の改定や改正などにより最新のものでない可能性があります。